ヨーロッパ自転車旅行記


                       桑名イングリッシュクラブ代表 弓場 周 

 私が英語の勉強を始めたきっかけの一つに、海外自転車ツーリングがあります。鹿児島の
佐多岬から北海道宗谷岬までの日本縦断を達成したあと、私は国内を走りたいという気持ち
がまったく無くなった自分に気が付いていました。そして、当然のように気持ちは海外へと向い
てゆきました。
 それまで外国に行ったことがなかった私にとっては、「外国」はそれ自体が憧れでした。そし
て自転車で外国を走るというのは、子供の頃に自転車で世界一周をした人の旅行記を読んで
以来の夢でした。

「よーし、海外ツーリングに挑戦だ!」

 外国旅行の経験すらなく、当時は英語もまったくできなかった自分が、いきなり海外ツーリン
グというのはかなり無謀に感じましたが、不安よりも外国を走りたいという気持ちのほうがはる
かに上回りました。
 そして初めての海外は憧れの国だったアメリカと決め、思い切って航空券を購入しました。こ
のときの気持ちは、「購入した」というより「購入してしまった」といったほうがピッタリする感じで
した。

「えらいことになった。嫌でも一人で行かなくちゃいけない・・・。」

 航空券の代金を支払った後、かなり後悔をしましたがもう行くしかありません。私は準備を始
めました。様々な情報収集、そして海外自転車一人旅にはどうしても必要だった英会話の勉強
等々・・・・・。
 そして1991年夏、アメリカに行って自転車でロッキー山脈を越えました。その翌年はヨーロッ
パでローマからパリまでを走りました。1995年は韓国を、1996年は台湾を縦断しました。

 私はこれらの自転車ツーリングで、パッケージツアーでは体験できないような多くの印象深い
経験をすることができました。そして旅先で感じたことや体験したことを旅行記にまとめ、勤務
校の生徒会誌に連載してきました。 この中で、英語の便利さと楽しさをとてもよく実感できたヨ
ーロッパ編を紹介したいと思います。


  2006年5月15日に、日本縦断編、北米編、ヨーロッパ編、アジア編をまとめ、連合出版から
単行本として出版しました。
 本のタイトルは 『1万キロの轍(わだち) −日本・北米・欧州・アジア自転車ひとり旅- 』、カ
バーは芥川賞受賞作品を担当された、さわのりょうた氏が、青空に自転車のシルエットが雲の
ように浮かぶ素晴らしいものを創ってくださるなど、立派な本にしていただきました。全国の主
要書店およびアマゾンその他のインターネット書店で発売されています。



           イタリア・ピサの斜塔前で         フランス・パリ凱旋門前で
 
 
     
第1章 遺跡・恐怖・そして人情 〜イタリア〜
第1章 遺跡・恐怖・そして人情 〜イタリア〜
第2章 絵葉書の中で 〜スイス〜
第2章 絵葉書の中で 〜スイス〜 
第3章 そして花の都へ 〜フランス〜
第3章 そして花の都へ 〜フランス〜
第4章 現代史の舞台
第4章 現代史の舞台 

     


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