![]() 1. The best day in this trip. ローマからパリまで自転車で自転車で走ったときのことです。途中、マッターホルンの麓スイ スのツェルマットに立ち寄った私は、例によってユースホステルに宿泊しました。指示された部 屋に行ってみると、なんと屋根裏部屋でした。人気のある観光地だけに、いい部屋は予約でど んどん埋まってしまうようでした。 同じ部屋に白人の若者が二人いました。向こうから英語で "Do you speak English?" と声をかけてきてくれました。二人ともフランス人で大学生ということでした。一緒に外に出てユ ースホステル前の草地でマッターホルンを眺めていたら、やはり同じ部屋にいた白人のおじさ んと東洋人のおじさんもやってきました。この年配のお二人はドイツ人と韓国人ということでし た。この日私が宿泊した屋根裏部屋は、フランス人×2、ドイツ人×1、韓国人×1、そして日 本人×1の4カ国5人で構成される多国籍ルームになっていたのでした。 多国籍の人間が一緒になると自然と英語が共通語になります。この時もそうでした。この日 は英語のネイティブスピーカーは一人もいませんでしたが、5人ともレベルに違いはあっても英 語を話すことができました。私達は草の上に腰を下ろしました。そして、マッターホルンを眺め ながらいろんなことを語り合いました。 「パリまで自転車で走った後、鉄道でドイツに行こうと思っているんですが、どこがお薦めです か?」 「ライン川に行ってみるといい。日本人にはとても人気があるよ。」 「日本ではどこが良いですか。」 「京都が良いと思います。でも日本にきたら全てのものが高価なのでビックリすると思います よ。」 そんなたわいもない観光案内もあればシビアな話もありました。フランス人の学生は現在19 歳で、翌年は兵役ということでした。軍隊に入ることをとても不安に感じているようでした。韓国 人のおじさんからは、韓国ではちょうど大学在学中となる年齢で長い兵役があるので、大学生 の年齢が日本に比べてかなり高いということを聞きました。日本には兵役がないということを聞 いて誰もが、とりわけ翌年に兵役を控えたフランスの学生二人はとてもうらやましがっていまし た。また、スイスにも兵役があることは知っていましたが、兵役後も毎年軍事訓練があるなど、 他のヨーロッパ諸国に比べてとても厳しいものであるということを知ったのはこのときのことで す。私達はまたお互いの国の言葉を教えあいました。 「英語の『Thank you』はどういいますか?」 「韓国語では『カムサハムニダ』です。」 「ドイツ語では『ダンケ シェーン』です。」 「日本語では『ありがとう』。でも『ありがとうございます』のほうがいいです。」 「フランス語では『メルシー』、『Thank you very much』だったら『メルシー ボークー』です。」 [『ボークー』の発音がちょっと難しいですね。」 「日本語の『満腹』は韓国語でも『マンプウ』と発音するんですよ。」・・・・・・ とても楽しく、素晴らしい日でした。いろんな国の人達といろんな話ができました。それまで知 らなかったことも知ることができました。英語の勉強を始めて本当によかったと思いました。こ のとき5人で一緒に撮った写真の横には "The best day in this trip." と記してあります。 2. Let's enjoy English ! 英語を話せるようになりたいと思っている皆さん、英語のトレーニングは英会話スクールの広 告のイメージとは違って、実は「修行」といってもいいようなとても大変なものです。でも、上手に なればなるほど、どんどんと楽しみが拡がっていきます。 学生時代の私のように、英語が大嫌いな方もおられると思います。でも、もし 「英語は嫌いだけど喋れたらいいなあ・・・。」 という気持ちがどこかにおありでしたら、入学試験や資格試験、あるいは仕事での必要性など とは一切関係なくやり直してみるといいと思います。「試験のため」と考えると、どんな勉強でも 苦痛になってしまいます。しかし、勉強というのはその本質はとても面白いものです。 特に英語は多国籍の人が一堂に会するとよく分かるのですが、すごく楽しいものです。少なく とも、とても便利なものです。何年か前まで英語が超苦手で大嫌いだった私が、外国人に "Thank you."さえ言えなかった私が言うんだから間違いありません。 皆さん、一緒にしっかり英語を楽しんでいきましょう!
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